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2026-06-22

産業廃棄物収集運搬業の許可の取り方:要件・申請先・更新を行政書士が解説

産業廃棄物収集運搬業許可の取得要件(講習会・施設・経理的基礎・欠格要件)、申請先の考え方、5年ごとの更新手続きを整理しました。事業開始前の確認資料としてご活用ください。

産業廃棄物収集運搬業許可とは:廃棄物処理法に基づく許認可

産業廃棄物収集運搬業の許可は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)第14条に基づく制度です。業として産業廃棄物を収集し、運搬する場合は、原則として各都道府県・政令市の許可が必要になります。

無許可で収集運搬業を営んだ場合は、同法による厳しい罰則の対象となります。また元請企業から「許可証の写しを提出してほしい」と求められる場面が増えており、建設系・製造系の下請け事業者にとって許可取得は実務上の必須条件になっています。


収集運搬業と処分業:許可は別々に必要

産業廃棄物の処理業は「収集運搬業」と「処分業」に区分されており、それぞれ独立した許可が必要です。

区分業務内容主な施設・設備要件
収集運搬業廃棄物を排出事業者から集めて処分場まで運搬する運搬車両・容器・保管施設(積替保管を行う場合)
処分業(中間処理)廃棄物を焼却・破砕・脱水などで減量・無害化する処理施設(焼却炉・破砕機等)
処分業(最終処分)廃棄物を埋め立て処分する最終処分場

収集運搬のみを行う場合でも、積替・保管を行う拠点を設ける場合は、その拠点の要件が別途加わります。


許可要件:4つの柱をすべて満たす

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、次の4つの要件を満たす必要があります。

要件1:講習会の修了

申請者(法人の場合は役員または業務を適切に行うことができる者)が、産業廃棄物の収集・運搬課程の講習会(JWセンター主催)を修了し、修了証を取得している必要があります。

修了証には有効期間があるため、取得時期にも注意が必要です。

要件2:経理的基礎

廃棄物の適正処理を継続的に行えるだけの経営基盤があることが求められます。直近の決算書(貸借対照表・損益計算書)等により判断されます。債務超過や著しく財務状況が悪化している場合は、追加の説明資料が求められることがあります。

要件3:施設・車両の要件

収集運搬に使用する車両や容器が、廃棄物処理法の基準を満たしている必要があります。

確認項目主な内容
運搬車両車検証・自動車損害賠償保険(任意保険も推奨)・車両に産廃表示
容器・覆い廃棄物が飛散・流出・悪臭が漏れない構造であること
積替保管施設積替保管を行う場合は施設の基準・面積・保管量の上限など別途要件あり

車両は申請時点で保有(または確保の見込み)が必要で、使用権原を証明する書類(車検証等)を添付します。

要件4:欠格要件に該当しないこと

法人の役員・株主(一定割合以上)・本人(個人申請の場合)が以下のいずれにも該当しないことが必要です。

欠格要件に1人でも該当者がいると、許可は下りません。


申請先:積み込む場所と荷おろし場所で判断

産業廃棄物収集運搬業の許可申請先は、工事を行う都道府県ではなく「廃棄物を積み込む場所」と「廃棄物をおろす場所(処分場等)」の双方の都道府県・政令市になります。

パターン必要な許可
A県内だけで積み込み・おろしを完結A県の許可1本
A県で積み込み → B県でおろすA県 + B県(2本)
複数の都道府県で積み込み・おろし対象となる全都道府県の許可

政令市(横浜市・川崎市・大阪市・名古屋市など)については、市域内の積み込み・おろしについて市への申請が必要になる場合があります。事業エリアが複数都道府県・政令市に及ぶ場合は、申請本数が多くなるため計画的に準備することが重要です。


産業廃棄物と一般廃棄物:混同しやすいポイント

建設現場の廃棄物を扱う事業者が特に注意すべき点として、建設系廃棄物の区分があります。

廃棄物の種類概要
産業廃棄物(建設系)建設工事に伴い生じた廃棄物(コンクリートがら・アスファルト・廃木材・廃プラスチック等)
一般廃棄物(事業系)工事現場の飯場ごみ・事務所から出る紙くず等(産業廃棄物に該当しないもの)

一般廃棄物を収集運搬する場合は、市区町村長の許可(一般廃棄物収集運搬業許可)が別途必要です。産業廃棄物収集運搬業許可があっても一般廃棄物は運べません。


許可後の義務:更新と変更届

許可取得後も継続的な手続きが必要です。

更新申請の遅れや変更届の漏れが続くと、許可の更新ができなくなる場合があります。許可取得後の期限管理も重要な業務の一つです。


産業廃棄物収集運搬業許可は、申請先が複数になるケースや欠格要件の確認など、事前調査に時間がかかる許認可です。事業開始スケジュールを逆算して早めに準備を始めることをお勧めします。Legalbase では、行政書士が AI を活用して専門知識を記事・相談コンテンツに変換し、見込み客との接点を継続的に作ることができます。

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よくある質問

Q. 産業廃棄物収集運搬業の許可はどこに申請しますか?
A. 積み込む場所と荷おろしする場所、それぞれの都道府県(または政令市)に申請が必要です。たとえばA県で廃棄物を積み込み、B県の処分場におろす場合は、A県とB県の両方の許可を取得する必要があります。政令市(横浜市・大阪市など)に所在する場合は市への申請になる場合があるため、事前に確認してください。
Q. 講習会はどこで受けられますか?
A. 公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が全国で開催しています。新規許可用と更新用で講習会の種類が異なります。受講後に修了証が発行され、申請書類に添付します。講習会の日程・申し込み方法はJWセンターの公式サイトで確認してください。
Q. 産業廃棄物と一般廃棄物はどう違いますか?
A. 廃棄物処理法上、廃棄物は「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に区分されます。産業廃棄物は事業活動に伴って生じた廃棄物のうち法令で定められた20種類(燃え殻・汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ・廃プラスチック類など)です。一般廃棄物は家庭から出るごみや産業廃棄物以外の事業系廃棄物を指します。両者では許可根拠・申請先・処理体制がまったく異なります。
Q. 収集運搬と処分は何が違いますか?
A. 収集運搬業は廃棄物を排出事業者から集めて処分場まで運ぶ業務です。処分業は受け取った廃棄物を中間処理(焼却・破砕等)または最終処分(埋立)する業務です。それぞれ別の許可が必要で、両方を行う場合は両方の許可を取得しなければなりません。
Q. 許可の有効期間と更新はいつですか?
A. 産業廃棄物収集運搬業許可の有効期間は5年間です。更新申請は有効期間の満了日の2〜3ヶ月前を目安に手続きを開始してください(申請先によって推奨時期が異なります)。更新には新規と同様に講習会修了証(更新用)や財務書類の提出が必要です。期限を過ぎると許可が失効し、新規申請が必要になります。
Q. 軽トラックでも許可は必要ですか?
A. はい、車両の大きさや積載量に関係なく、事業として産業廃棄物を収集運搬する場合は許可が必要です。ただし、排出事業者が自ら排出した廃棄物を自社の車両で自己処分施設へ運搬する「自己運搬」は許可不要です。

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