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2026-06-22

一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)の許可の取り方を行政書士が解説

運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可取得要件(車両・運行管理者・営業所・資金計画)、申請から許可までの流れ、法令試験の概要、軽貨物との違いを整理しました。

一般貨物自動車運送事業とは:緑ナンバーが必要な運送業

一般貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業のうち、三輪以上の軽自動車および二輪の自動車以外のものを使用するものをいいます(貨物自動車運送事業法第2条)。

いわゆる「緑ナンバー」(事業用ナンバープレート)で運行するトラック運送事業がこれに当たります。許可なしに有償で貨物を運送した場合は、同法による厳しい罰則の対象となります。

軽貨物(黒ナンバー)との主な違い

項目一般貨物(緑ナンバー)軽貨物(黒ナンバー)
根拠法貨物自動車運送事業法(一般貨物)貨物自動車運送事業法(貨物軽自動車)
手続き許可(地方運輸局)届出(運輸支局)
使用車両普通貨物自動車等(最低5台)軽自動車・軽バン等(1台から可)
運行管理者必置不要

許可要件:5つの柱

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件1:車両5台以上

使用する事業用自動車(普通貨物自動車等)を最低5台確保する必要があります。申請時点で所有または長期リース契約等による使用権原が必要です。軽自動車は台数に含まれません。

要件2:営業所・休憩施設

施設主な要件
営業所農地法・都市計画法等の法令に違反しない場所。事務所として使用できる建物であること
休憩・仮眠施設ドライバーが休憩・仮眠できる施設(面積等の基準あり)
車庫営業所から一定距離以内。すべての車両が収容できる面積。農地・市街化調整区域等でないこと

車庫は特に審査が厳しく、地目・用途地域・前面道路の幅員なども確認されます。

要件3:運行管理者・整備管理者の選任

両者は兼務不可です。また、運行管理者はドライバー専任者との兼務制限もあるため、人員確保が重要な課題になります。

要件4:資金計画(残高要件)

事業開始に必要な資金として、所要資金の全額以上に相当する自己資金が申請時および許可取得時に確保されていることが求められます。所要資金には車両費・施設費・運転資金(人件費・燃料費等の数ヶ月分)が含まれます。金融機関の残高証明書等で証明します。

要件5:法令試験の合格

申請後、役員等を対象とした法令試験(貨物自動車運送事業法・道路運送法・関係法令)に合格することが許可条件の一つです。


申請から許可・運輸開始までの流れ

書類準備・事前調査
  ↓
地方運輸局・運輸支局へ申請書類を提出
  ↓
書類審査(法令試験の案内が届く)
  ↓
法令試験(役員等が受験)
  ↓
許可処分(許可書の交付)
  ↓
登録免許税の納付
  ↓
事業用自動車(緑ナンバー)への切り替え
  ↓
各種保険加入・運行管理規程の整備
  ↓
運輸開始届の提出
  ↓
営業開始

申請書類:主なもの一覧

申請書類は申請先(各地方運輸局)によって様式が一部異なる場合があります。主な書類は以下のとおりです。

書類内容
一般貨物自動車運送事業経営許可申請書基本申請書
事業計画書営業所・車庫・車両・役員等の概要
所要資金計算書・残高証明書資金要件の証明
運行管理者・整備管理者の証明書類資格証・選任届
車両関係書類車検証の写し・リース契約書等
施設関係書類不動産登記事項証明書・賃貸借契約書・配置図等
登記事項証明書法人の場合

書類の準備に最も時間がかかるのは、車庫の要件確認と残高証明書のタイミング調整です。事前に運輸支局の相談窓口を活用することをお勧めします。


許可後:運輸開始までに必要な手続き

許可取得はゴールではなく、スタートラインです。


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よくある質問

Q. 軽トラックで運送業をするにも許可が必要ですか?
A. 軽トラックや軽バンを使って荷物を運ぶ場合は「貨物軽自動車運送事業」の届出(黒ナンバー)で始められます。許可ではなく届出制なので手続きが比較的簡単ですが、事業として営む場合は必ず手続きが必要です。一般貨物自動車運送事業(緑ナンバー)とは法的根拠・手続き・要件がまったく異なります。
Q. 車両5台というのはどんな車でもいいですか?
A. 事業用として使用できる普通貨物自動車(または普通乗用車等の一定のもの)が5台以上必要です。軽自動車は台数に含まれません。また、申請時点で使用権原(所有権または長期リース等)を証明できることが必要です。車検証の用途が「貨物」であることも確認が必要です。
Q. 法令試験とは何ですか?落ちたらどうなりますか?
A. 申請後に役員等を対象として、貨物自動車運送事業法・道路運送法・労働基準法等に関する筆記試験が実施されます。試験は2ヶ月に1回程度の開催で、不合格の場合は再試験が可能ですが、一定回数不合格が続くと申請が却下される場合があります。試験対策テキストは運輸局で配布されているので事前に確認しておきましょう。
Q. 運行管理者は社長が兼務できますか?
A. 運行管理者は運行管理者試験に合格した者(または一定の実務経験を持つ者)でなければなりません。社長・役員が有資格者であれば兼務は可能ですが、運行管理者は原則として事業所の運行を常時管理できる立場にある必要があります。ドライバー業務との兼務については運輸局の判断が求められるケースもあります。
Q. 許可取得にかかる期間の目安を教えてください。
A. 地方運輸局・運輸支局への申請から許可取得まで、標準処理期間はおおむね3〜5ヶ月程度です(地域・時期により異なります)。法令試験の日程が2ヶ月に1回のため、申請タイミングによってはさらに時間がかかることがあります。書類準備期間を含めると、事業開始の半年以上前から動き出すのが現実的です。
Q. 許可取得後すぐに営業できますか?
A. 許可取得後、事業用自動車(緑ナンバー)への切り替え、運輸開始届の提出、社会保険・労働保険の加入確認など、運輸開始前に必要な手続きが複数あります。これらを完了して初めて営業を開始できます。許可=即営業可能ではない点に注意が必要です。

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