「うちの得意分野をChatGPTに聞いたら別の事務所を紹介された」
そういう話を耳にすることが増えました。
GoogleのAI概要やChatGPT、Perplexityなど、検索の入口がAIへシフトするにつれて、事務所サイトへの流入経路も変わりつつあります。AI検索は「最も関連性の高い情報源」を選んで推薦します。選ばれる事務所と、選ばれない事務所の差は、どれだけ特定の分野・地域と紐づいているかにあります。
AI検索が「専門家」を選ぶロジック
AIは検索者の質問に答えるとき、ウェブ上のコンテンツを参照してどのサイトが信頼できる情報源かを判断します。
行政書士の場合、「建設業許可を取りたい 神奈川」のような検索に対して、AIが「この事務所を参照してください」と推薦するかどうかは以下で決まります。
専門性の深さ — そのテーマについて、どれだけ詳しく・具体的に書かれているか
一貫性 — 同じ分野のコンテンツが複数存在し、一貫したメッセージを発信しているか
正確性 — 法令や公式情報と整合しているか(誤情報があると信頼性が下がる)
地域の明示 — 対応エリアが明示されているか
逆に言えば、全分野を薄く網羅したサイトはAIに選ばれにくいです。行政書士業務は領域が広いため、あらゆる業務を一般的に説明したページが並んでいても、特定の問いに対する「この分野の専門家」として浮かび上がってきません。
ニッチを絞り込む3つの軸
軸1:業務の絞り込み
取扱業務の中から、自分が最も詳しく・最も件数をこなしている分野を選びます。
選び方のポイント:
- 他の行政書士と差別化できるか
- 依頼者の悩みが具体的で、検索意図が明確か
- 法改正や制度変更が多く、情報の鮮度が問われるか(継続的な発信機会になる)
例として絞り込みやすい業務分野:
- 産業廃棄物収集運搬業許可(都道府県ごとの手続き差異が多く、詳細コンテンツが刺さる)
- 古物商許可(EC事業者の需要が増加中)
- 在留資格・ビザ申請(外国人雇用のニーズが高まっている地域で有効)
- 補助金申請支援(ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金など)
軸2:地域の絞り込み
「○○市 建設業許可」のような地域×業務の組み合わせは、大手サイトが網羅していないことが多く、入り込みやすい領域です。
対応エリアを明確にすることで、AIは「このエリアでこの業務を頼むなら」という文脈で事務所を参照します。
軸3:顧客属性の絞り込み
「建設業許可」よりも「独立したての一人親方の建設業許可」のほうが、依頼者の悩みに近い。
業種・規模・状況(新規取得か更新かなど)を絞り込んだコンテンツは、依頼者が自分ごととして読みやすく、問い合わせにつながりやすいです。
コンテンツの作り方:「網羅」より「深掘り」
ニッチを決めたら、その分野について深掘りしたコンテンツを積み上げます。
一つの業務について書ける記事の型:
- 概要・必要性の解説(「建設業許可とは何か」)
- 申請要件の詳細(「経営業務管理責任者の要件を満たすには」)
- よくある失敗・つまずきポイント(「差し戻しになりやすい書類と対策」)
- 地域別の特徴(「神奈川県の建設業許可申請で注意すること」)
- 事例・実績ベースの解説(「一人親方が建設業許可を取るまでの流れ」)
5本程度のコンテンツが揃ってくると、Googleがサイトを「その分野のサイト」として認識し始めます。
AIに推薦してもらうための仕掛け
コンテンツを作るだけでなく、AIが参照しやすい形にする工夫も効果的です。
FAQを必ず入れる
「Q:○○はどのくらい時間がかかりますか?」のようなFAQは、AIが検索者の質問に答えるときに直接引用しやすい形式です。
事務所名・所在地・対応業務を各ページで明示する
AIは「どこにある、誰が、何をする事務所か」という情報を集約しているため、各ページに事務所情報が入っているほど関連付けが強まります。
構造化データ(JSON-LD)を入れる
LocalBusiness スキーマで事務所情報をマークアップすると、Googleが事務所とサービスの関係を正確に把握しやすくなります。
始め方:まずサーチコンソールで現状確認
ニッチを決める前に、今のサイトが何のキーワードで検索されているかを確認することをお勧めします。意外なキーワードで上位に来ているページが、絞り込むべき分野のヒントになることがあります。